『 玉陵
第二尚王家歴代の陵墓であるこの玉陵は、首里城への要路綾門大道に臨み東は天界寺に隣接するなど重要な位置にあります。
墓陵内は、琉球石灰岩の高い石垣によって囲まれ全ての庭には珊瑚砂利が敷きつめられています。
東室、中室、西室の三基に分かれた墓堂は、自然の岩壁をうがち外部を切り石積みの家型とした沖縄特有の形式を持つ墓陵といえます。中室は、洗骨までの間霊柩を安置するのに使用し(シルヒラシ)、東室には洗骨後の王および王妃、西室にはそれ以外の家族の遺骨を安置したと伝えられています。
また、前庭左側に西面して建つ「たまおどんのひのもん」(尚真王二五、大明弘治十四年一五〇一)には、陵墓にまつわる当時の事情が伝えられています。
その他墓頂にある雌雄の石獅子や墓室前の高欄などからも琉球文化の粋をしのぶことができます。』